相続放棄と熟慮期間

相続放棄と熟慮期間の関係

相続放棄は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内に家庭裁判所に申し立てをしなければなりません。
この3ヶ月は、相続開始の原因である事実と自分が相続人である事実を知った時から進行します。

それではプラスの財産があったので相続をしたがその3か月以上たった後に負債があったことが判明した場合に相続放棄をすることは可能なのでしょうか。

具体例をみてみましょう。

被相続人Bが平成15年3月25日に亡くなり、相続人のAが財産調査をしたところ負債が7600万ほどあったがプラスの財産が負債よりも若干多かったため同年12月25日に遺産分割協議を行い、不動産の移転登記等を行い相続しました。

しかし、平成19年6月8日にXがAに対して3億円の訴訟を行ったことにより新たな相続による負債が発覚しました。

Aとしてもこれは払えないということで平成19年7月11日に家庭裁判所に相続放棄の申述を行い受理されました。
しかし、本件訴訟においてAの相続放棄は認められませんでした。
3億円の負債があったことを知らなかったとしても、7600万円の負債があったこと、財産があったことを認識したうえで3か月以内に相続放棄をしなかった以上、3か月の熟慮期間経過後の相続放棄は無効であると判断されました(大阪高裁平成21年1月23日判決)。

以上のとおり最初は財産があると思って相続したが後日大きな負債が見つかることもよくあります。
一度相続をしてしまうと、後日負債があったからといって相続放棄をすることができません。
相続放棄をしないことが本当に正しいことなのか今一度検討する必要があるのかも知れません。

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