相続財産の調べ方
相続財産の調べ方について
相続が開始して相続をするか相続放棄をするかを決める際に、「相続財産をしっかり確認してから決めましょう」と言われることがあります。
しかし、亡くなられた方の財産状況を把握できていれば良いですが、遠方に住んでいた・疎遠になっていた等の理由で全く分からない場合、どのように調べたらいいでしょうか。
まずは、亡くなられた方の自宅や持ち物に、財産関係を表す書類等がないかを確認しましょう。
通帳・カード・金融機関や役所からの手紙・不動産の権利証などがあれば、そこから確認していくことができます。
消費者金融から借り入れをしていた場合は借り入れの明細が、株や有価証券を保有してたなら証券会社からの報告書が残っていることがあります。
また、パソコンやスマートフォンが残されていたなら、メールのやり取りからネット銀行の口座が確認できるかもしれません。
ある程度把握してから、財産ごとに個別に調査してくこととなります。
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★銀行や証券会社
書類等から判明した銀行や証券会社に、亡くなられた方の死亡時点での
残高証明書の発行を依頼します。
把握している口座だけではなく、その銀行や証券会社内での
すべての口座を確認してくれる場合もあるので、
担当者に確認してみましょう。
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★不動産
権利証や役所からの納税通知書から不動産所在地が確認できます。
書類上では確認できていないが不動産を所有していたと考えられる場合は、 その不動産の所在地の役所に「名寄帳」を請求することにより、
所有不動産を発見できる場合があります。
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★消費者金融や銀行からの借金
書類等から判明した消費者金融や銀行に、借入残高があるかどうかを確認しましょう。
信用情報機関(JICC、CIC、全国銀行個人信用情報センター)に問い合わせることで、 書類等では確認できなかった借金を発見できる場合があります。
ただし、信用情報機関に登録されていない会社や個人間での借金については分かりません。
消費者金融からの借金については、借入金額や取引期間によって、過払い金が発生している可能性があります。
借入残高があったとしても、引直計算をすることによって借金がなくなり過払い金を取り戻せる(=プラスの相続財産になっている)ことがありますので、弁護士や司法書士などに相談することをおすすめします。
相続放棄は、一度受理されてしまうと原則として取り消すことができません。
財産面からの相続放棄を考えている場合は、プラスの財産とマイナスの財産をきちんと確認した上で、相続放棄をするか結論を出すようにしましょう。