数次相続と相続放棄

数次相続と相続放棄について


祖父甲が亡くなり相続人は父乙(第一相続)、その後熟慮期間(民法第915条1項)内に相続手続きをせずに父乙が亡くなり、相続人は子の丙(第二相続)祖父甲には多額の借金があり、父乙には多くのプラス財産があった。

上記のようなケースで子丙としては、
「出来ることなら父乙の財産は相続して、祖父甲の借金に関しては相続したくない」
と考えるかと思います。

①祖父甲の第一相続のみを放棄し、父乙の第二相続を相続することは可能なのか?
②可能だとして、子が第一相続の承認、放棄を検討する熟慮機関の起算点はいつの時点になるのか?


【①に関して】
可能です。
子丙は祖父甲の第一相続を放棄し、父乙の第二相続のみ承認することが出来ます。
ここで注意が必要なのは、上記の逆は認められていない点です。
つまり、第二相続のみを放棄し、第一相続のみを承認するのはNGということです。
父乙の相続を放棄した時点で、初めから父乙の相続人ではなかったとみなされるので(民法第939条)父乙の相続人としての立場で行う第一相続の放棄、承認は認められなくなります。(最判昭63・6・21参考)

【②に関して】
子丙が父乙の死亡を知り、自己が相続人になったことを知った時点が、第一相続及び第二相続の3ヶ月間の熟慮期間の起算点になります。(民法第916条)
この間に祖父甲、父乙の相続に関しての承認、放棄をすればいいことになります。

    **********
    民法第916条
    相続人が相続の承認放棄をしないで死亡したときは、前条第一項の期間は、その者の相続人が自己のために相続の開始があったことを知った時から起算する。
    **********

    **********
    民法第939条
    相続の放棄をした者は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなす。
    **********

任せて安心の相続放棄サポートプラン!

プラン2種類 9,800円~
ご依頼者の負担を軽減するために、相続放棄の申立が受理されなかった場合、当方の報酬はいただきませんのでご安心してお任せください。


上部に戻る